第4回 「考える大人になる―教育のためのTOC」シンポジウムにて
発表が予定されている事例の概要は下記のとおりです。

[職場/組織で使うTOCfE]
・TOCfEを使って日本一の自転車スポーツ大会の受付業務を15倍効率化した話
・発達障害の僕が子供たちと関わることによって自信がつき変わる事が出来た
・3年目の壁を(ぶち)破る
・全国行脚!100名の薬局新人スタッフに20分でATTワークを行った結果と考察
~短時間で手法を伝えなければならないジレンマからの脱出~

[学校・教育現場で使うTOCfE]
・「Chest Of Secretsをやってみよう」
・必勝!児童会選挙!
・大学生のためのTOCfE
・オリンピックへの道 トップアスリートの「勝負勘」をロジックで解き明かす

[家庭・個人で使うTOCfE]
・“good enough”なブランチを書くには、まずブランチ”もどき”から!
~ブランチが書けない原因を解消!~
・弟を「寝たきり」から救ったアンビシャス ターゲット ツリー
・クラウドで家庭のトラブルを解決しました!
・明るく前向きに生きるための思考改善法
~アスペルガーによる2次障害と向き合う中学生からのメッセージ~

[職場/組織で使うTOCfE]

TOCfEを使って日本一の自転車スポーツ大会の受付業務を15倍効率化した話
菱岡 洋志(大学職員・野辺山シクロクロス実行委員会運営長)

長野県南牧村野辺山で5年前に始まった自転車スポーツ大会『野辺山シクロクロス』。
4年前には国際大会となりましたが準備が整っておらず選手に必要なゼッケンを配付するのに15分以上かかったり、同じ番号のゼッケンを付けた選手が出走したりと大会の体をなさない大失敗を経験しました。その大失敗を乗り越えために毎年少しずつ改善をしてきたのですがそれらは人手に頼った改善になり、効率の悪さやプレッシャーを感じる居心地の悪さは否めません。
野辺山シクロクロスを日本一の大会にするには規模と質の両方を日本一にしなければなりません。大会開催にあたり一番負荷が高く、ボランティアがプレッシャーを感じるのが選手へゼッケンを配付する受付業務ですが、その受付業務をTOCfEのブランチを使って15倍効率化し、参加者にもボランティアにも『来年も参加したい!』といっていただけるようになった事例を共有します。


発達障害の僕が子供たちと関わることによって自信がつき変わる事が出来た

田村 慶和(「のんたん」 アテンダント)
大東 直美(「のんたん」 代表)

昨年、児童発達支援事業所「のんたん」で発達障害を持った青年を受け入れるかどうか、その過程を昨年の事例発表でさせて頂きましたが、その後の青年の成長、子どもたちの成長、職員の成長そしてそれぞれの気づき、そして私たちの思い込みが、同じように障害を持っている人たちの社会での関わり、社会であたり前に生きていくことを阻んでいるのではないか、という大きな学びになりました。
なにより青年自身が自分に自信持ち社会の中で生きていくこと、ありのままの自分で良い言う事、家の中に閉じこもっているだけでは変わることが出来ないということに気づき、頑張って自分の夢にチャレンジする事の素晴らしさに気が付いてくれました。
これは、青年だけでなく、多くの発達障害を抱えた人たちの勇気と力になると同時に、彼らを排除するのではなく、彼らがいる事が当たり前の社会の第一歩になることを願い、勇気を持って発表させていただきす。


3年目の壁を(ぶち)破る

久世 秋絵(株式会社小野組 土木事業部営業)

社会人も3年目に差し掛かり、徐々に増えてきた仕事量。
業務のスピードを重視すれば、ミスが多くなる。ミスを無くそうとすると、時間がかかりすぎてしまう。このジレンマをこのままにしていていいのか?
そもそも、私はこのままでいいのか?この先、どうなりたいのか?何がしたいのか?
多くの人が目標を見失い、仕事にマンネリを覚え始めると言われる魔の社会人3年目。
TOCfE三種の神器「ブランチ」「クラウド」「アンビシャスターゲットツリー」のツールを使って、「社会人3年目の壁」に挑みます。


全国行脚!100名の薬局新人スタッフに20分でATTワークを行った結果と考察
~短時間で手法を伝えなければならないジレンマからの脱出~
山中 智香(研修講師)

コンビニより多い調剤薬局。
そのスタッフ一人一人がやりがいを持ち、地域の医療の担い手として貢献できるには「目標」を持つことが重要だと考え、研修にATTを組み入れることにした。
しかしながら、3時間で他にも伝えなければいけない事もあり【ATTに時間を割く】VS【ATTを短時間でする】というジレンマに遭遇。
この問題をクラウドで解決することにより、短時間でも効果的に伝える工夫にたどりつき約100名の新人に実施した。研修後の感想には
「意識しなければなんとなくこれができる、できないと思うだけだが、明確な目標を立てる事で自分がすべき事を認識できた。明日から、行動に移したい」
「目標を持つことで患者様の満足にもつながっていくので意識をしようと思った」など
『目標』を意識することから今後のやりがいにつながる感想が多くあった。ここでその結果、今後の改善を含めた考察を報告する。

 

[学校・教育現場で使うTOCfE]

「Chest Of Secretsをやってみよう」
発表者未定(TOCfE調布塾)

昨年のTOCfEシンポジウムで紹介された「Chest Of Secrets」。ポーランドで子ども用に開発されたTOCfEの教材です。
調布塾ではこの教材のトライアルを保育園で実施しました。
始めは「虫めがねをこっそり持ち出した」「そうしたら?」とたずねると「虫めがねがこわれた」と一足飛びにお話の結末を答えていた園児たちが、絵並べや塗り絵のワークを通して「虫めがねをこっそり持ち出した」「そうしたら?」「学校の友達に虫めがねを見せびらかした」「そうしたら?」「取り合いになって・・・」とお話が幾つもの因果関係でつながっていることに気づいていきます。
本日はトライアルを実施したときの様子、保育士さんの体験談、そして、その中でツールがはたした役割についてご紹介したいと思います。
これから、もっと多くの方にこの教材のトライアルを行ってもらい、どんどん良いものにしていきたいと考えています。


必勝!児童会選挙!

岩井 梢(小学5年)・岩井 慎一(父)

小学5年に上がる時、児童会の副会長選挙に立候補しました。対立候補は次期6年生。
挨拶運動を公約として、お父さんと作ったブランチで演説を考えて挑んだのですが、わずか数票差で落選。私は何が行けなかったのだろう?考えてみると、家に帰って最初に言った言葉は「次も手伝ってもらえなければできない」でした。
自分の言葉で伝えられなかった、自分がやったという実感がなかったことを反省し、挑んだ今年の後期児童会選挙。前回と同じように副会長に立候補した私は、前回の反省を活かして、今回はお父さんに手伝って貰いながらも、自分の言葉でブランチを作り公約を考えました。その結果、、、見事副会長に当選することができました。自分の言葉で伝える事の大切さを共有したいと思います。


大学生のためのTOCfE

原田 和樹・松本 美香(大学生)

小学校、中学校、高校までは答えを用意されている問題をこなし、テストに合格するためだけの勉強をすることが多いです。しかし大学は今までと異なり、自ら問題を見つけ、考え、答えを出さなければいけない場面が増えてきます。そしてそれは今後社会に出てからも同様だと思います。
今回紹介するのは、そんな状況にいる私たちがTOCのツールを使って答えを導いた事例です。そして私たちはTOCを学んだことでいかにこのツールが有効な物であるか知りました。
大学生のうちにこのような有効なツールを学ぶことで、社会に出ても自ら率先して動ける人間になれるはずです。このように考えた私たちは自分たちだけで満足するのではなく、同年代の人々にもっと知ってもらいたいと思いTOCfE@法政大学を立ち上げました。
現在TOCfEは社会人の方中心に広まりを見せていますが、これから社会に出る私たちが知っていることでさらに良い社会を築けると思います。


オリンピックへの道 トップアスリートの「勝負勘」をロジックで解き明かす

飛田 基(TOCfEマスターリードファシリテータ)

日本の未来のエースとなる15歳から22歳までのトップクラスのテニスプレーヤー約20名、そしてテニスの元日本代表監督を含むナショナルコーチ達とワークショップを行った。テニスは「確率」のスポーツと呼ばれている。ただその「確率」には、サイコロを振ったときの確率とは違って、「つながり」がある。以前のポイントで起こったことに基づいて、次のポイントで何が起こりそうかを読み、駆け引きするという「つながり」である。
このつながりは、「勝負勘」という言葉で表現されることもある。今回、トップアスリートの「勝負勘」を因果関係で解き明かし、ロジックブランチを使って、言葉で表すことに成功した。
ここぞ、という時に能力を発揮するスポーツ選手のパフォーマンス向上の秘密を言葉にできたことは、選手育成の大きな武器となりそうだ。

 

[家庭・個人で使うTOCfE]

“good enough”なブランチを書くには、まずブランチ”もどき”から!
~ブランチが書けない原因を解消!~
平方 文哉 (関西学院大学 大学院生)
安田 悦子(ゴールドラット・コンサルティング)

最近、自分が大学院のプレゼンや普段の会話の時にブランチを使うことで、周りの院生でもブランチを使いたい人が増えてきました。
しかし、ツールの説明を聞いた後に実際に普段から使っている人はそれほど多くなく、話を聞いてみるとクラウドやATTに比べシンプルな分どう使っていいかわからないという事でした。実際に、分科会やGCの安田さんにも聞いたところ同様の意見を聞き、これは解決しなければいけない問題だと思ったのが、今回の事例の背景です。
今回の事例では、実際にブランチの講座を開いて反応を見たり、安田さんや周りの人の話を聞いてそれをブランチで書きながら考察し、ブランチが書けないという問題の根本原因が”正しい”ブランチを書かなければいけないという思い込みからくる、ブランチを書く・書かないの内部葛藤だとわかりました。そしてそのブランチを書く・書かないの葛藤をクラウドで解決策を出し、実際に友達に試してもらいました。

 

弟を「寝たきり」から救ったアンビシャス ターゲット ツリー
柴橋 学(たまサポートサービス 代表)

私の弟(義弟)は、43歳の若さで脳梗塞で倒れ手術で一命は取り留めたものの大きな障害が残りました。関係者の努力によりゆっくりとではあるものの一歩ずつ回復していた弟でしたが、現在の医療制度では、脳梗塞の急性期リハビリテーションの期間は、「最長で手術から6ヶ月」と決まっており、かならず退院もしくは転院しなくてはならなりません。
残念なことに療養型病院ではリハビリテーションの時間はほとんどとってもらえないことがわかり、「転院することで、弟が寝たきりに戻ってしまうことに目をつぶる」か、
「在宅介護をすることで、家族が介護疲れで破綻する可能性に目をつぶる」か。
家族は大きな選択を迫られることになりました。
今回の事例では、「1人の人間の今後の人生すべて」を決めてしまうような大きな選択の場面で、家族や病院スタッフがATTをもとにしてどのように乗り越えていったのかを発表したいと思います。


クラウドで家庭のトラブルを解決しました!

鈴木 大紀

11月のある日、我が家の長女の誕生日パーティだったのですが、急遽お通夜が入ることに。
私抜きで誕生日パーティをしようとしたら、「パパは私の誕生日をお祝いしてくれない」と長女が海より深く悲しんでいるとのこと。とはいえ、お通夜に行かないわけにもいかず、どうすんだ?ということで、昨夜夫婦でクラウドを作った結果、朝食にバースデーパーティをすることに。
夫婦徹夜でケーキやら食事やらの準備で大変でしたが、何より子どもが喜んでくれたことが良かったです。今までだったら、今回のケースは娘に我慢させてたなと。
クラウドで考えることができて、娘の笑顔が見れました。TOCに感謝です。


明るく前向きに生きるための思考改善法

~アスペルガーによる2次障害と向き合う中学生からのメッセージ~
中越 祐希(中学2年生)

私はアスペルガー症候群という障害を持っています。一般に病気の2次障害として睡眠障害、うつ、PTSD、てんかん等も引き起こされます。また、考え方や感じ方の違いをわかってもらえず傷つくこともあります。
そんな時に出会った家庭教師の先生はTOCツールの使い手でした。先生からはこれまでに約1年間スカイプやメールでご指導を受けてそのおかげで私は大きく成長しました。1番成長した部分は、思考回路が改善です。
これは私が問題解決する能力が高まったということだけではありません。周囲の大人にも共通認識を持ってもらうことができるようになり、その結果周囲の大人が変わったことに大きな要因があると考えています。
私が1年間でどのように変化が起こったのかまた大人にどのように支援して欲しいのかをこれまでのメール、スカイプの内容を元にみなさんと共有したいと思います。この発表を通じて同じ障害に苦しむ人たちのお役にたてたら幸せです。