「教育のためのTOC」の事例と実践の秘訣が本になりました。
世界で800万人が実践! 「考える力の育て方」――ものごとを論理的にとらえ、目標達成できる子になる
著者は、教育のためのTOC日本支部理事でもあり、TOCfEのマスターリードファシリテータでもある飛田 基氏です。
この本では、子どもの考える力を伸ばす「3つの思考ツール」と、それらをご家庭で効果的に活用するためのコーチングやファシリテーションのスキルを、ふんだんな活用事例とストーリーを通して、「6つの秘訣」として紹介していきます。
3つの思考ツールには「クラウド」「ブランチ」「アンビシャス・ターゲット・ツリー」という名前がついています。ツールを開発したのは、世界で1000万人が読んだと言われるビジネス書『ザ・ゴール』(邦訳ダイヤモンド社)の著者であり、イスラエル生まれの物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士です。
イスラエルは国土が狭く、天然資源も豊富ではありません。また、歴史的に紛争が多い国でもあります。いくら富をたくわえても、ある日突然なくなってしまうことがあります。そのような国情もあり、「お金はなくなることがあっても、知識はなくならない」という考え方が浸透しています。だから、イスラエルでは教育が盛んです。
ゴールドラット博士は『ザ・ゴール』で提唱したTOC(Theory of Constraints=制約理論)という理論をもとに、工場の生産管理をはじめとしてビジネスのさまざまな分野でブレークスルーを起こしてきました。それができたのは、社会で起きている問題を未知の研究にいそしむ科学者が取り組むかのような姿勢でつぶさに分析し、次々に解決策と実行プランを生みだしてきた独自の「思考プロセス」があったからです。
そして、「世の中の人に考えることを教えたい」と願う博士が、生涯をかけて取り組んだのが教育でした。
1995年にはNPO法人「教育のためのTOC」(英名:TOC for Education, Inc.)を設立。子どもたちに「考えること」を教えるツールとして、自身の「思考プロセス」を5歳児でも使えるようにシンプルな形にまとめました。それが本書で紹介する「3つの思考ツール」です。これらのツールは「子どもにもわかりやすく、経営者が使えるほどに奥が深い」と世界的にも高く評価されています。
それぞれのツールを活用することで、次のような効果が期待できます。
●対立した状況から、創造的な解決策を生みだせるようになる
●ものごとを論理的に考え、説明できるようになる
●夢や目標を達成するための障害に対処できるようになる
また、それらの結果として、問題解決力やコミュニケーション力、壁を破る力が高まったり、創造性、協調性、思いやりの心が育まれたりすることが明らかになっています。
本書は主に小中学生の親御さんを対象としていますが、高校生や大学生、社会人ご自身でも活用できます。「子ども」という表現を「部下」という言葉に置き換えて読んで頂ければ、大半はそのまま職場でも使える内容です。実際、本書の手法は企業の社員研修にも数多く使われているのです。
●著者より
AIの時代、つぎつぎと職業がコンピュータやロボットにとって変わられると予想される時代。こんな時代の子育てでは、「考える力」を授けることで、今後の未来がどのように発展していったとしても、状況に対応し、問題を解決し、世の中を生き抜いていける、そして、より良い世の中と、より充実した人生を手に入れる助けになる。こんなことの一助になればと願っています。