■テーマ
大和ハウス工業様の事例をCCPMの考え方やポイント

■講師
松山 竜蔵 氏(大和ハウス工業株式会社)
中江 功 氏(株式会社富士通関西システムズ)
佐藤 尚武 氏(HDCS株式会社社)

■概要
・ 本プロジェクトでのCCPM適用のポイント
・ ワークショップ:ダイスゲームでわかるバッファマネジメント
・ PMO座談会

■参加者 40名

******************************************
佐藤尚武氏『本プロジェクトでのCCPM適用のポイント』

きっかけはDr.Alan BarnardのTOC研修から始まった・・・
今までのやり方に危機感を感じ、急遽サンゼノで2週間のトレーニングを実施
CCPM導入にあたって自分たちが一番の抵抗者はだった。、
学ぶだけでなく自分が講師となってPJメンバーにトレーニングを行うことで
聞くことと実際に教えることの違いを実感する。

CCPMを進める中で私たちが大切にしてきたこと
①3つのルール・・・リソースの集中、局所的な評価の排除、バッファが与えられた計画とバッファ管理
②4津の行動・・・タスクの準備をする、バッファの優先順位に従う、素早く問題を解決する、システムを最新に保つ、残り期間の報告
③会議体・・・毎日のタスクアップデート 問題解決MTG 週2回のPMOミーティング 修一のプロジェクトコントロールミーティング

この3つをしっかり守り毎日愚直に行う。これを繰り返すことが結果として改善へとつながった

25%工期短縮を達成の背景
準備段階から障害に対してちゃんと手を打ち解決しながら進めてきた、これを繰り返すことで万全の準備をすることができた
Concerto(CCPM Tool)によって正しい優先順位付ができた
継続的に勉強する機会を得られたことも強みに
『Good Enough』、であれもこれもやるのではなくやらないことを決めプロジェクトに集中する

プロジェクトスローガン(今の自分につながる、そした今までのマネジメントを変えた言葉)
・もっとアグレッシブに!(今までの評価の仕方を変えた言葉、個々ではなく全体としての評価を)
・あらゆる機会はコーチングの機会である(人にわかるように伝えることを愚直に実行、これが人に教えるトレーニングとなる)
・今一歩踏み込め(大和ハウス創業者の、石橋信夫さんの言葉、リスクを取り除きどんどんすすめ!)

CCPM適用のポイントは
「シンプルなルールを愚直に守り、毎日継続して進める」こと、これが大切である

******************************************
松山 竜蔵 氏『ワークショップ:ダイスゲームでわかるバッファマネジメント』
~どのようにして無駄はおきるのか~

マルチタスクを引き起こす要因とは(ムダを増やす要因)
・切り替え
・ソースを浅く広く割り当てる
・同期がうまく取れていない
・流れが中断される

ダイスゲーム
実施目的:どうやって仕掛を下げるのかの検証、バッファリングをするとはどうことか、リソースを割り当てるとはどういうことか

分かったこと
・マネジメントの判断は会社に大きく影響を及ぼす
・全てに対処するのではなく全体に大きく影響するところにピンポイントで対応することが大切である(無駄な労力を使わず最低限の力で最大の力を出す)
・バッファーマネジメントをすることでどこに注力をおけばいいかが色で管理できる(赤に集中すればいい)
毎日これを確認することで正しく優先順位が付けられるようになる

*****************************************
座談会(質疑応答):佐藤氏、松山氏、中江氏)

CCPMを実施の上の心得
バッファを使わせてもらうという考え方ではない。
締め切りを意識させず、あと何日必要なのかだけを聞く。
その結果、遅れている場合は、何か手伝えることはないかと聞いていく(遅れたことを責めない)

局所的な評価の排除とは? 具体的に排除したものとは?評価方法とは?
個々を評価するのではなくプロジェクトの成功を評価する(プロジェクトの成功が自分の成功)
マネジメントが変わることで会社も変わる。

バッファマネジメントを行う上での顧客とベンダーの密接度は?
ベンダーの立場を考慮して(Noとは言えない立場)無理をさせないようにこちらが管理する必要がある。

工期を半分に対する現場の反発をどう取り除いたのか?
半分にこだわらずまずはこれをすると半分くらいまで工期を減らすこともできますと相手にプレシャーを与えないような説明の仕方をする

どうしてバッファーの50%というのがしっくりこない
でいるかできないかぎりぎりの状況を聞き出す為設定している数字。2割削減だと、考えず頑張るだけ。
こういう鬼気迫った環境になると人は問題解決について一生けん命考えるようなる。

問題解決の際のリソース配分はどうやって確保するのか?助けられる状況じゃないときは?
人を限定せず空いているリソースを有効活用する。
現行のプロジェクトで止めれるものをきめることであるPJに集中する(正しい優先順位つけ)
こういう体制でプロジェクトを進めている(助けようとしているという)ことをメンバーに分かってもらうことが大切

工期短縮した場合は、それを基準とされることにならないか?
またその場合、クライアントとの契約はどう行えばいいの(炎上すれば炎上するほど(?)もうかるという精神はどう打破するのか)
むしろ契約形態を変える必要はなく意識を変えてもらう。
プロジェクトは短くしてもいいんだと思ってもらう(短くするメリットが大きいことを理解する)
短くなった場合は競合他社を抑える、競合優位に立つことができるという意識を持ってもらう。お客様からもそこに頼みたくなる。
もし工期短縮できたらボーナスを与えるなどの対応をすればさらにモチベーションが上がる。その方法は考え中

工期短縮は品質悪化につながらないか?
他のプロジェクトで利用している指標値内に収まっているので問題ない。
CCPMでは本当に無駄だけを排除しており大切なプロセスは一切省いていない為、悪化することはない、
むしろ品質は悪化するどころか改善へと向かう(品質改善PJも必要なくなるのでは)