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【第13回】教育のためのTOCシンポジウム 開催レポート

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更新日:8 時間前

先日、教育のためのTOC(TOCfE)シンポジウムが開催されました。本イベントでは、TOCfEのツールがどのように教育現場や職場で活用されているかを具体的な事例とともに紹介。多くの参加者が実際の活用方法を知り、熱心に議論を交わしました。その充実した内容と、参加者の熱い声をご紹介します。


多彩な事例発表!現場での活用がリアルにわかる

今回のシンポジウムでは、以下のような多岐にわたる事例が発表されました。

  • 大学生のキャリア系授業におけるATTの活用実践とその効果

  • つながりの力で! ようやく見えた回復の兆し

  • 休み時間の廊下が危ない!

  • クリティカルシンキングを中学受験・高校受験に活用する

  • Make Our Future〜探究革命常識をぶっ壊し枠の中も外も包み込もう〜

  • 「論理を英語で学ぶ」の授業におけるブランチの導入

  • 全校生徒が前向きに取り組むために私ができること

  • 上司と部下の会話に活かすTOCfE

  • TOCfEを活用した社員研修による課題解決とコミュニケーション力向上の実践

特に、子供たちが自らTOCfEのツールを活用して課題を解決する事例や、職場でのコミュニケーション向上に役立てる実践例は、多くの参加者にとって驚きと発見の連続でした。


ワークショップ「TOCfEで広がる可能性 〜学びを共有して未来を描こう!〜」

ワークショップファシリテーター担当 藤田 国和さんからのコメント

第13回教育のためのTOCシンポジウムでは、「TOCfEで広がる可能性 〜学びを共有して未来を描こう!〜」というテーマでワークショップを行いました。

今回のシンポジウムでは9件の事例発表があり、タイトルだけを見ても「どんな面白い発表があるんだろう?」とワクワクしていました。そこで、参加者同士が気軽に感想や気付き、そして未来への期待について語り合える場にしたいと思い、ワークショップを企画しました。

実際のワークショップでは、参加者たちが自由に話し合いながら、心温まる交流の時間を楽しんでいました。みなさんの表情からその充実感が伝わってきて、まさに素敵なひとときとなりました。


参加者の声 〜新たな学びと気づき〜

実際に参加した方々からは、感動と学びの声が多数寄せられました。

  • 「仲間が増えること、子供たちがATTを使う考え方がわかったこと、たくさん学びがありました!」

  • 「見知らぬ人とのお話は常に新たな発見」

  • 「TOCfEのツールは事前に学ばないと活用できないと思っていましたが、もっと気楽に使えるツールだと感じました。上司と部下、店舗とお客様など、様々な場面で活用できそうなので、自社でもワークしてみたいです!」

  • 「子供の発表のクオリティが高く、内容がとても感慨深かった。」

  • 「3つのツールが、年齢、業種、立場、新しい受験形態など、あらゆる場所で適用できるパワーを改めて感じました。もっと広めたいと思いました!」

教育のためのTOCの活動について

シンポジウム オープニング要約(吉田 裕美子さん)

キャシー会長と若林理事長が2019年に「次は京都で国際カンファレンスを」と話してから、長らく開催が難しい状況が続きましたが、昨年2024年にようやく世界のリーダーたちを京都に招いて国際カンファレンスを開催することができました。

皆さんはどんな「変化の波」を感じていますか?人口減少、気候変動、社会の分断、物価の急上昇など、私たちの前には多くの問題が立ちはだかっています。これらの問題にどう向き合い、乗り越えていくかが問われる時代が来ています。誰かが解決してくれるのを待つのではなく、私たち自身が力を合わせていくことが必要です。まず手を貸すという協力の形もありますが、その一歩手前に一緒に考えるそしてその結果助け合って物事を乗り越えていく行動を起こすということが今まさに求められている時代になってきているのではないかと思います。

こうした時に役立つのがクリティカルシンキングです。私たちのNPOではクリティカルシンキングは単なる問題解決のスキルではなく、自分の前提に問いを立て、協力しながらより良い未来を築くためのライフスキルの一つと考えて、グローバルに活動を続けています。

「教育のためのTOC」には2つの特徴があります。まず、「仮定」を明確に言語化し、構造化して表現することです。例えば、ロジック・ブランチで「なぜならば」をシンプルな図に書いて表すことで、前提を吟味できます。また、「音読」も特徴の一つです。音読することで黙読だけでは気づきにくい身体的な反応(心臓がドキドキしたり、お腹がギュッと苦しくなったり)を経験したことがある方もいるのではないでしょうか。私たちはこのツールを使って共に考え、助け合って行動するためのライフスキルを広げ、より良い社会を作りたいと考えています。

「仮定」にはそれぞれの人生での実践知や価値観が詰まっています。これをお互いに語り合い、対話を通じて深く理解することで、主体的な活動が生まれるのではないでしょうか。今回は9名の登壇者がそれぞれの体験を共有してくださいます。皆さんが明日からの生活や仕事に活用できることを心から望んでいます。


シンポジウム クロージング要約(若林靖永さん) 今回のシンポジウムの発表でも、これまでのシンポジウムでの発表のように、子どもや大人、個人の問題や組織の問題、教育関係やビジネス関係と、さまざまな人がさまざまなテーマでさまざまに未来をきりひらこうと、教育のためのTOCを活用してとりくんでいる姿が報告されました。ここに教育のためのTOCのすばらしさが体現されているとあらためて思いました。

コロナ禍後、東京でようやくシンポジウムを対面で開くことができました。対面だからこそ、元気をもらえ、刺激をうけ、気づきがたくさんありました。オンラインだと情報は受け取るし処理はできるのですが、そこからの広がりがふくらみが感動がなかなかありません。こうしてみなさんとお会いできたこと、こういう場が存在することをとてもうれしく思います。 2011年にキャシー代表が来日して国際認定プログラム(ラーニングコネクション)が開催され、2013年には日本人講師によって国際認定プログラムが開催されました。そして同年、NPO法人として教育のためのTOC日本支部が設立されました。こうして国際認定プログラムで学び、学んだことを交流するシンポジウムが開催され、そして各地で自主的な学びの場としてコミュニティが誕生しというようにして、教育のためのTOCの輪は広がりました。

コロナで、対面での学びの場を中心にすすめてきたNPOの取り組みも大きな打撃を受けましたが、ファシリテーターやコミュニティの皆さんの協力を得て、オンラインでの国際認定プログラムを開催するなどの対応、挑戦にも取り組みました。そしてコロナ前にキャシー代表と約束していた、日本での国際カンファレンスの開催は、コロナ後の2024年春にようやく開催することができました。

こうして日本での教育のためのTOCの挑戦は一区切りでもあり、ここでみなさんとともにリバース、リブート、リスタートを切りたいと考えています。その中心的なエンジンと言ってよい、国際認定プログラムは年間を通して計画的な開催を予定していますし、より初級入門の新講座の提供も準備しています。みなさんんとともにさらに広げていく取り組みをすすめていけたらと思います。


次回はあなたもぜひ参加を!

TOCfEのツールは、教育の現場だけでなく、ビジネスや日常生活でも大きな力を発揮します。学びと発見が詰まったTOCfEのイベントに、あなたも参加しませんか?

「次こそは!」と思った方は、ぜひ今後の開催情報をチェックして、実際に体験してみてください。TOCfEの世界が、きっとあなたの視野を広げてくれるはずです!


今年開催予定の国際認定プログラムや各地でイベントを開催しているコミュニティをこちらのページで紹介しています。



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